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世界半導体産業におけるタイのチャンス

半導体またはチップスは電子機器、通信機器、IT機器、ゲーム機器、自動車、医療機器、機械ロボット更には軍事機器などの様々な機器に不可欠な部品だ。その重要性から半導体産業は多くの国が生産拡大のために積極的に投資している重要な分野である。

 
アジアにおける半導体機械設備投資動向
 半導体産業は世界中に存在するが生産の主要地域は依然としてアジアだ。台湾は世界的にも大きな存在でTSMCは市場シェアの約64%を占めている。その他の注目すべき台湾企業としてはUMC、PSMC、VIS等がある。2024 年には半導体産業への投資が 4.2% 増加し総額 249 億米ドルに達すると予測されている。タイも半導体投資で躍進しており主に組み立て、テスト、設計に重点を置いており世界有数の企業にとって重要な製造拠点となっている。最近ではソニーセミコンダクタソリューションズが100億円以上 (約 250 万米ドル) を投じて半導体生産施設をタイに移転した。

半導体産業の成長を牽引するイノベーションとテクノロジー
 半導体産業の競争の激化によりタイを含む各国は国内の安定供給を確保し世界市場での競争力を獲得するために独自の半導体産業を発展させている。優位性を提供し生産拠点を確保する貿易政策に加えイノベーションと生産技術の開発が不可欠だ。これには世界的に需要のある高品質で小規模なチップの作成、環境に優しい工業団地の設立、大企業、中堅企業、中小企業の半導体生産能力の向上を支援する総合工業団地の開発が含まれる。

半導体産業におけるタイのチャンス
 タイは世界トップの半導体生産国ではないが半導体サプライチェーンの主要プレーヤーとなり大手グローバル企業の生産拠点となる大きな可能性を秘めている。タイの潜在力を高める要因には以下のものがある。
  • 堅牢なインフラを備えた工業団地: タイは安定した水管理と電力生産を備えた工業団地を誇り大規模な工業製造をサポートしている。その一例がクリーンエネルギーを使用したISO 14001 環境基準に準拠したエコ インダストリアル タウン コンセプトを推進する304工業団地だ。
  • 労働力: タイは未熟練労働者、半熟練労働者、熟練労働者、熟練労働者を含む 3,000 万人を超える強力な労働力を提供している。政府はまたタイと海外の投資家の両方に対する成長を続ける半導体産業の需要を満たすために大学レベルで高度なスキルを持つ専門家の育成を支援している。
  • 戦略的な立地と自然災害への耐性: タイの地理的位置はハリケーン、台風、山火事、大洪水などの深刻な自然災害からタイを守っている。工業団地内の効率的な災害管理システムと相まって過去のデータが示すように生産が中断される事はほとんどない。
  • 投資インセンティブ:タイでの半導体生産を促進するため政府は上流半導体サプライチェーン企業に対する法人税免除を8年から13年に延長するなどの税制優遇措置を設けている。更に外国投資家が工業団地の土地を所有する事が認められておりタイへの外国投資をさらに促進している。
304 工業団地: 半導体の成長を支えるキープレイヤー
 タイは半導体産業の成長を支える能力を実証してきた。半導体開発を支える工業団地として際立っているのが304工業団地だ。この工業団地は標準的なインフラと信頼性の高い電力および水管理の提供に加えプロセスのあらゆる段階で投資家を支援する専門チームによるワンストップ サービスも提供している。これには投資委員会 (BOI) からの事業許可の取得、外国人投資家の土地所有権の取得、工場操業許可の取得などが含まれ産業顧客は無料で利用可能。この包括的なサポートによりタイの半導体産業は遅延なくスムーズに進歩することができる。

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